外国人による日本語弁論大会
9月15日(土)、高松市番町のアイパル香川にて
「第18回 外国人による日本語弁論大会」が開催されました。
出場者は、中国の方が一番多く7人、韓国2人、アメリカ1人、タイ1人の計11名の皆さんでした。
日本語は流暢で、語彙も豊富です。(いまどきの言葉を知らない若者より、ずっと正しく日本語を話していました)
日本語をよく勉強なさっているのが、話し振りでわかりました。
それから、「伝えたい!」という気持ちが身振り手振りに表われている人が多く、
表現力の豊かさは日本人よりかなり優れているように感じました。
考えてみれば私の日常生活では外国人の人と接する機会はほとんどありません。
ましてその人の語る言葉を聞くという機会は
TV以外では皆無に近いように思われます。
とても貴重な機会をいただきました。
そして、弁者の皆さんが語られた内容には驚くことが多くありました。
日本に留学に来ている彼らは、お国ではきっとエリートです。
大学に留学している人もあれば、企業に研修に来ている人もいます。
その中で一番印象に残ったのは、タイ人のブンミさんという男性の話です。(彼はゾンタ賞に輝きました)
彼はタイのイサンという町(村?)から日本に来ています。
そこはまだ電気が一日に少しの時間しか使えず、
水道やガスはなく、
識字率も低いのだそうです。
子供たちは大切な労働力で、
水道がないので水を汲みにいきますが
その水汲みは子供の仕事だそうです。
そういった場所ですが、信仰心は厚く
お坊様への寄付はその貧しい暮らしの中からも必ずみんながするそうです。
お坊様は、その中から自分が食べるためのほんのわずかの量をいただき、残りの食べ物はさらに貧しい人に分け与え、
お金は、仕事につけない人にお寺の仕事をしてもらい、与えるのだそうです。
彼のスピーチのテーマは「みんなで生きていくために」。
貧しくともみんなで分かち合う、
そしてそれは幸せをみんなで分かち合うことでもあります。
と結びました。
彼が日本に来て驚いたことのひとつに、スーパーに同じものなのにたくさんの種類があって、選ぶのに迷ってしまう、というのがありました。
物が有り余り、食べ物を残す日本人。
「イサンでは食べ物があるということだけで感謝です。」
彼の話を聞いて、今の日本の暮らしはやっぱりどこかおかしい、と考えさせられました。
食べていくことに精一杯でも、
心の豊かさではどちらが幸せなのだろう、とも思いました。
仏教国の人らしく、スピーチの最初と最後はもちろん、折々に両手を合わせて丁寧なお辞儀をしていたブンミさん。
日本で今学んでいる技術(機械のお仕事をなさっているそうです)を、お国に持ち帰って役立てたい、と力強く言っておられました。
国を背負って外国へ学びに来ている人の
信念の強さとか、誠実さ、愛国心がひしひしと伝わってきました。
こういう会に参加したのは初めてでしたが
とても自分自身「気付き」をいただいたように思います。
他にも中国のウイグルから来ている人の話、
「日本人は隣国中国のことをあまり知りません」。
そうです、彼はウイグルの新疆出身ですが、
私が今まで想像していた中国人とは顔つきが全く違います。
中国は56の民族が寄り集まった国なのだそうです。
ですから、民族が違うと、
顔立ちも食べ物も風習も、ぜんぜん違うのですよ、ということでした。
それから、中国から来た女性の話の中で、
中国では、親しい間柄では「ありがとう」という言葉は言わない、という話。
「ありがとう」というと「何でそんな他人行儀なことを言うの?」と逆におかしな関係になってしまうのだそうです。
それも風習の違いですよね、
日本人からすると「ありがとう」を言わないなんてできっこありません。
そういった驚きが次から次に出てきて、
外国の、自分の知らないいろいろな面を垣間見ることが出来ました。
すばらしい人はほんとうにたくさんいますね。
私もがんばろう!と思わされ、元気をたくさんもらいました。